皆様、新年明けましておめでとうございます。
平成24年辰年の初春、ご家族お揃いでお迎えのことと拝察し
心からお喜び申し上げます。
ここ舞鶴においては、大きな災害はなく、平穏に過ごせることの幸せ、ありがたさを今年ほど感じる年はなかったかと思います。平成24年の仕事始めにあたり、私の思いを述べて、職員の皆様と目標を共有し、まちの発展に向けて頑張りたいと考えています。
昨年を振り返りますと、やはり東日本大震災とそれに続く福島第一原子力発電所の事故をどうしても思い出さずにはいられません。極寒の東北地方で仮設住宅での厳しい環境のもとに、新年を迎えられた被災者の方々のことを思いますと正月気分に浸っていることに後ろめたささえ感じるそういう状況であります。
特に福島県の皆様は、今後長年にわたり、被害への対応を余儀なくされておられます。今後復興に向けて国が全力を挙げて支援を行うことは当然でありますが、我々舞鶴市といたしましても、引き続き何が出来るのかを考えていかねばならないと思います。
また、この出来事を教訓として我が舞鶴市においては災害に対して想定外という言葉は絶対に使わないというそういう備えをしておくべきと考えております。
国際情勢が不透明で急激な円高が持続し、そしてTPPの問題についての対応もしっかりと示されていない状況を極めて憂慮しております。我が国の将来を揺るがしかねない状況にあります。これらの情勢を注視しつつ、市として今後の対応を考えておかなければならないと思っております。
また、昨年の年末にもお話しましたが、大阪の選挙が示すものは、国民、市民から閉塞感の打破を願う行政への期待ではないかと思っております。
そして、舞鶴市民は何を求めているのか?それはやはりコミュニケーションが基本であるというふうに思っております。現地現場主義、市職員は仕事において部、課を越えて情報交換をすべきであり、また、地域コミュニティの行事に積極的に参加すべきであると私は思っております。
さて、本年の目標でありますが、新たな総合計画が昨年8月に策定されましたが、その実施が基本となります。職員一人一人は理念、信念を持ち、目標、夢を掲げて仕事をすべきであるというふうに考えます。
目標は基本的に一つ。しかしその目標を達成する方策については、ポイントを絞って多くとも4つ、出来れば3つに絞る、そういう方策でやっていきたいと思っております。
今年の目標は、住んでよし、働いてよし、訪れてよしの「選ばれるまちづくり」であります。そのために
1番目に市民に役に立つ市役所、行政改革のことであります。
2番目に経済の活性化。
3番目に安心のまちづくり。
この3つの方策を持って目標を達成していきたいと思っております。
まずはじめに、1番目の市民に役に立つ市役所づくりの3つのポイントでありますが、組織、人、ものであります。まず人につきましては、舞鶴人材育成基本方針の策定に向けて作業が進められておりますが、市民の声、そして新人職員の声を大切にして心新たに仕事をしていくべきと考えております。2番目としましては組織の見直し。慣習にとらわれず、今のままの課・係でいいのか、そういう思いでおります。新しい時代の変化に即応する組織のあり方があるのではないかと考えております。3番目に施設・備品などを改修や交換する統一基準や一括管理、さらに債権の適正管理、こういうことを改めて見直すべきではないかと考えております。
そして、2番目の活力あるまちづくりにつきましては、第1番目としましては観光振興、2番目としましては、新たな産業創出、3番目としましては産業基盤の充実、その3つを挙げたいと思います。まず観光についてでありますが、京都舞鶴港、赤れんがパーク、引揚記念館などを軸とする観光振興の積極的推進。2番目の新たな産業創出といたしましては、昨年始めましたリーディング産業チャレンジファンドの継続と舞鶴の企業を国内はもとより海外にも知らしめる舞鶴企業情報館の新設、そして舞鶴は海・山・畑と非常に自然に恵まれています。そういった意味では一次産業の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。3番目は基幹道路を含む産業基盤の整備についてでありますが、国道27号バイパスや臨港道路上安久線、そして今の時点では夢として語りたい白鳥街道4車線化、この3つが基幹道路を含む産業基盤の整備の目標であります。
3番目として安心のまちづくりですが、防災、医療、教育の3つが柱になると思います。東日本大震災を教訓として、原子力防災を含む総合防災計画の策定、由良川水防災事業の整備・見直しについての推進などが挙げられると思います。2番目としまして医療ですが、舞鶴地域医療連携機構の準備委員会の設立、そしてそのことによって舞鶴地域医療の充実を進めていきたいと考えております。3番目の教育ですが、小・中学校、高等学校教育の充実、学力の向上、食育の重要性を教職員の皆さまが認識していただき、中学校の給食が普及するよう進めていきたいと考えております。
一方、地元におきましては市民とのコミュニケ―ションを図りながら、地域コミュニティの活性化を行い、市全体のまちづくりに取り組んでいくことを進めたいと思っております。絆を大切にし、まちを思う心を一つにしてこのまちを元気なまちにしていきたいと考えております。
近年、地方分権、地域主権が叫ばれていますが、このような体制を実現するには、まず第一に地方行政職員の自主、自律。自分たちのまちは自分たちで守る、そういう気概が絶対的に必要となります。その上でプロとしての意識を持ち、専門知識が豊富な職員、市民の中に入って課題を発見し、ともに解決に取り組む職員、前例にとらわれず、社会情勢の変化に即応し常に改革意識を持つ職員とならねばなりません。みなさまは「ふるさとを良くしたい」、「市民の皆さまの役に立ちたい」、「豊かな舞鶴、住みよい舞鶴を守りたい」という思いを胸に市職員になることを志したと思います。今まさに激動の時代、日本がピンチの時代、そういった時代こそが行政職員のやりがい、意気込みが発揮できる状況ではないかと考えております。皆さまの心意気で私と一緒にこのまちを元気にしようではありませんか。私の新年にあたっての意気込みを皆さまにお伝えいたしまして、年頭のあいさつといたします。