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  • 2016.07.23 Saturday

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    ドクターTのひとりごと

    • 2016.07.23 Saturday
    • 16:27
    その42「舞鶴市教育ビジョンの策定」
     
    平成27年4月から子ども・子育て支援新制度が実施され、全ての子ども・子育て家庭を対象に市町村が実施主体となり、教育・保育、地域の子ども・子育て支援の量及び質の充実を図ることが求められています。こうした中で、文部科学省の平成27年度「幼児教育の質向上に係る推進体制等の構築モデル調査研究事業」において、舞鶴市の提案が全国で10市の中に選ばれました。子ども・子育て支援が量だけでなく「質」の充実を図る背景には、就学前までの乳幼児期が、人格形成の基礎が培われる極めて重要な時期とされているからです。
     乳幼児教育を行う施設として、保育所と幼稚園がありますが、新制度ではこれらに加えて、両方の良さを併せ持つ「認定こども園」を、地域の実情に応じて普及を図るとされています。子ども・子育て支援は父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有することは言うまでもないですが、社会のあらゆる分野における全ての構成員が相互に協力し、一丸となって取り組むことが重要です。
     「舞鶴市乳幼児教育ビジョン」の策定にあたり、作業部会を設置し乳幼児教育現場の意見聴取やアンケート調査を実施の上、懇話会で検討してきました。平成28 年度より、本市が目指す質の高い乳幼児教育を多くの関係者と共に推進し、教育のまちづくりに取り組むことにより、舞鶴版地方創生に繋げていきたいと考えています。

    ドクターTのひとりごと

    • 2016.06.26 Sunday
    • 12:19
    その40「誇れる舞鶴の心」
     
    舞鶴市ボランティアセンターは昭和50年に発足以来、今年で40周年の節目の年を迎えられました。今日の我が国においては、少子高齢化をはじめ、核家族や共働き世帯の増加、価値観の多様化などにより、地域とのつながりや支え合いが希薄になりつつあります。
     そうした中で、舞鶴市では93グループ、約1,200人の多くの人々が、福祉・医療施設への訪問活動、地域における生活援助や交流機会の提供、文化・芸術活動支援など、継続的に地域貢献をされています。
     私は「舞鶴の心(ボランティア精神)」は戦後の海外引き揚げ事業への対応が原点だと感じています。舞鶴港に帰還された人の多くはシベリアに抑留され、飢えと寒さと重労働という想像を絶する過酷な環境に耐えて、辛苦の日々を必死に生き抜かれた方々でした。当時の舞鶴市民は戦後の物資不足で自らの生活もままならない中、引揚船が入港するたびに、港や街頭での出迎え、駅でのお見送り、さらには湯茶やふかし芋のふるまいなどをされ、弱き者を慈しみ、困っている者に手を差し伸べる優しさ、言わば「舞鶴の心」が全ての世代に受け継がれました。ボランティア活動に従事されてきた方は、子どもの頃に経験した引揚事業が大きく影響していると思っています。「舞鶴の心」を次代を担う子ども達に引き継ぐためにも、子ども達と一緒にボランティア活動をして頂くことをお願い申し上げます。

    ドクターTのひとりごと

    • 2016.06.25 Saturday
    • 16:24
    その39「エンディングノートとは」
     
    人は誰もが健康長寿(介護を受けずに自立して日常生活が出来る生存期間のこと)を願い、年を重ねるにつれて健康に留意し、塩分やカロリー制限を主とする食事療法や適切な運動を実施している方は多い。しかし、意識が全く無いままで長期間寝たきりとなる人や認知症で介護を必要とする人は少なくない。私は介護や医療現場で人生の様々な終末期を見てきたが、意識が全く無く、家族に見舞いにすら来てもらえず、長期間にわたり食事介助を受ける中で死に至る人は、このような最期の迎え方を望んでいないと思っている。一方で、患者自身の気持ちを理解する心の余裕が無く、どういう病状であれ、とにかく生きていて欲しいと思う家族がいることも承知している。医療従事者でなければ、このような実情を深く理解し、日常から備えることは困難である。
     人生の終末期に迎える死に備えて、自身の希望を書き留めておくエンディングノートを自治体やNPOなどが無料配布しているところもある。その目的は、存命中や死後の家族の負担を減らすことであり、その内容として自身が死亡した時に財産の相続や処分方法、さらには、存命中に判断力や意思疎通能力を完全に喪失した状態における介護のあり方あるいは、意識喪失する可能性が極めて高い病態において、延命治療を望むか望まないか、特に人工呼吸器による呼吸管理、高カロリー輸液や胃いろう瘻などの栄養管理措置などを希望するかについて意思表示することができる。今後、国として、このような極めて重要な課題について、十分な論議が必要であると考えている。皆さんはどう思われますか。

    ドクターTのひとりごと

    • 2016.06.19 Sunday
    • 17:22
    その38「ワーク・ライフ・バランスを知っていますか?」

    舞鶴市が平成22年12月に実施した事業所へのアンケート調査で「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」について、言葉や内容をどの程度ご存知ですか?との問いかけに、言葉も内容も知っていると答えた方はわずか20パーセントであった。女性の社会参画に対して、舞鶴市は平成5年に社会教育課に女性係を創設、平成13年に舞鶴市女性センター(現在のフレアス舞鶴)を開設、平成19年に舞鶴市男女共同参画計画(まいプラン)を策定、平成20年から人権啓発推進室に事務を移管し積極的に啓発活動を続けてきた。
     職場において誰もが自らの意思によって十分に能力を発揮し活躍できる環境を整備することは当然であるが、女性の社会参画や職場環境は未だに十分とは言えない。
     女性が働き続け、活躍することができる社会を目指し、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が平成27年8月に制定された。その概要は、地方公共団体に対して推進計画の策定、地方公共団体と事業主に行動計画の策定、さらには女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置を行うとしている。
     今後、?市役所が女性の働き続けやすいモデル職場となる?男女共同参画計画のさらなる推進と事業所に対する支援制度を説明する?女性が働き続けることができる環境づくりを職場や家庭に協力依頼するなどに努力し、女性が輝く職場づくりに積極的に取り組みたい。

    ドクターTのひとりごと

    • 2016.06.18 Saturday
    • 22:02
    その37「舞鶴市教育振興大綱を策定」
     
    この度、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正され、地方公共団体の長が当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めることとなり、本市では市長と教育委員会が協議する総合教育会議を2回開催し大綱を策定しました。
     育てたい子ども像は、「ふるさと舞鶴を愛し、夢に向かって将来を切り拓く子ども」であり、「自立」と「自律」を重視し、「人への思いやりと感謝」を併せ持てるように、家庭・学校・幼稚園・保育所(園)・地域が連携して、地域ぐるみで子どもの教育と子育てを支援できる環境を整備します。
     基本理念は「0歳から15歳まで切れ目ない質の高い教育の充実」であり、とりわけ0歳から就学前の乳幼児期は、人格形成の基礎が培われる最も大切な時期であり、善悪の正しい判断を持ち、自らを律することができる「自律」を育みます。切れ目ない「保幼小中連携」体制の中で、小中一貫教育では本市の豊かな自然環境の中で、特色ある歴史や文化などの地域資源を活かした教育に取り組み、知・徳・体のバランスのとれた人材の育成を行うことにより、中学校卒業時には将来の仕事などの目標を自ら定め自立していく「自立」を備えた子どもを育成します。
     教育を重視するまちづくりは、舞鶴版地方創生の成功発展に密接に関連しており、積極的に進めたいと考えています。

    ドクターTのひとりごと

    • 2016.06.11 Saturday
    • 21:33
    原子力発電所再稼働や安全保障関連の課題についてさまざまな意見があり、徹底的に討論されることは極めて重要である。
     昨年の7月15日に集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障関連法案の採決が衆院平和安全法制特別委員会で行われたが、翌16日の新聞各社の第一面および解説記事として、毎日新聞は「安保法案与党強行可決」「民意畏れぬ数頼み」、朝日新聞は「安保法案強行可決」「政治の責任国会は果たせ」、京都新聞は「与党強行、野党は抵抗」「国民不在の姿勢あらわ」と批判的に、読売新聞は「安保法案衆院可決」「審議時間は与党が採決の目安としていた80時間超を大幅に上回る約116時間に達した」、産経新聞は「安保法案特別委で可決」「首相、危機直視し国民守る」と肯定的に記載している。
     市民の皆さんの多くは新聞を一紙しか購読しないため、さまざまな意見を知り、自分自身の考え方を持つ機会に乏しい。テレビ放送でも相反する意見を聴ける討論会もあるが、片方の見方しか説明しない番組が多いことを危惧している。常に課題の本質が何で、課題の背景にあるさまざまな事実を正確に、かつ相反する考え方の説明を添えることにより、視聴者自身が全体像を把握したうえで、的確な判断ができる情報発信が望まれる。

    山陰新幹線の整備実現とそのために必要な北陸新幹線京都府北部ルートの実現についての要望決議

    • 2016.06.11 Saturday
    • 07:45
     北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会と山陰縦貫・超高速鉄道整備市町村会議が連携・協力して以下の要望決議を採択した。合同会議で、以下の決議を提案した。

    「北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会」会長であります、舞鶴市長の多々見良三でございます。皆様を代表しまして要望決議(案)を提案させていただきますが、提案に先立ち、少し時間を頂戴し、北陸新幹線と山陰新幹線をつなぐこの取組への思いを述べさせていただきます。

    古来より、日本海側、山陰の出雲・伯耆(ほうき)・因幡(いなば)地域と、福井から新潟までの北陸の越(こし)地域、その中間に位置する但馬や若狭湾に面した丹後と若狭には、縄文時代から中国大陸や朝鮮半島の技術、文化が伝えられて繁栄し、それぞれの地域は互いに交流しながら、対外交渉力、製鉄や玉造りなどの技術力を高めるとともに、出雲神話や浦島伝説、越と出雲との人事交流など、中央の「ヤマト」に対し、共通の文化基盤をもった「出雲王国」や「丹後王国」、「越(こし)王国」がそれぞれ誕生したとされ、「大和朝廷」成立以降は、日本の繁栄を支える重要な地域として、大陸と都との深い交流や、大陸からの文化を都へ伝える役割を担ってきたとされております。このように北陸から丹後・若狭、そして山陰西部にかけての日本海側ベルト地帯は、日本文化の源流であり、古代日本誕生を支えた地域であったといえます。

    現在、国において、国土強靭化、地方創生の取り組みが進められる中、ふたたび日本海側地域の重要性と機能強化についてクローズアップされています。
    我々は、北陸新幹線と山陰新幹線を分断することなく、しっかりと接続し、日本海側国土軸を形成することこそ、この地域の発展、日本の将来の発展に繋がるものと考えております。

    去る4月27日には、政府の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム「北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会」におきまして、北陸新幹線の敦賀−大阪間のルートに関する「中間とりまとめ」が示されました。

    その中で、北陸新幹線ルートは「将来的なものを含めた他の日本海側の幹線鉄道網との関係について配慮されるべき」と明記されており、この将来的な幹線鉄道網とは「山陰新幹線」以外の他でもありません。この「中間とりまとめ」で示されたとおり、北陸新幹線ルートは、山陰新幹線との接続による日本海側国土軸の形成を視野に入れることが大変重要になります。この課題を解決していくには、本同盟会が取り組んでおります山陰新幹線との接続を見据えた北陸新幹線の誘致について、山陰縦貫・超高速鉄道整備市町村会議の皆様と協力し、連携して取り組んでいくことが重要であると考えており、そのことが、山陰新幹線の整備実現に向けた取り組みに繋がるものと確信しているところであります。

    以上のことから、山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議と北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会の連名による「山陰新幹線の整備実現とそのために必要な北陸新幹線京都府北部ルートの実現について」、次のとおり要望決議(案)を提案いたします。


    要望決議(案)

    日本の近代史において、新幹線は沿線地域に大きな経済波及効果と開発効果をもたらし、とりわけ太平洋側地域の発展に大きく寄与してきたところであるが、新幹線の整備が進んでいない日本海側地域との経済格差を生んでいる。

    現在、日本の人口減少の進展と、人・モノ・金・仕事・情報の東京一極集中による地方都市の衰退に歯止めをかけるため、国において「国土強靭化」と「地方創生」が進められている。今、日本全体の閉塞感を打破し、将来の日本のあり方を展望して「国土強靭化」と「地方創生」を推進するには、日本全体の構造的な諸環境を整備していくことが重要であり、全国の主要都市を結ぶ「新幹線ネットワーク」の実現による“国土軸”の整備が必要不可欠である。

    北陸から山陰を経て下関に至るいわゆる「環日本海・本州西部地域」は、戦後来、基幹道路や高速道路等の基幹的な社会基盤整備が格段に遅れをとっている。大阪市から下関市を日本海側の主要都市を経由して結び“日本海側国土軸”を形成する「山陰新幹線」は、昭和48年に基本計画が閣議決定されてから40年以上計画が進展していない。本地域は、東アジア諸国・地域に広く対面し、交流・貿易の拠点を多数有して東アジア地域との交流拠点となる大きな可能性を有している。また南海トラフ巨大地震等の太平洋側大規模災害が危惧される中で、リダンダンシー確保の観点からも大きな役割を果たす重要な地域であり、国防の拠点や海の安全の拠点が所在する国の重要地域である。この重要な地域が高速鉄道で全国の主要都市と繋がり、将来発展していくことが日本の国益に繋がるものであることから、山陰を縦貫し北陸に接続するとともに山陰から京都、大阪などの近畿圏を直接に結ぶ新幹線などの超高速鉄道(以下、「山陰新幹線等」という。)の建設及び北陸新幹線との接続が必要である。

    また、平成27年3月に「長野−金沢間」が延伸開業した北陸新幹線は、沿線地域に大きな経済効果をもたらし、現在、敦賀以西のルートについて検討が進められており、京都府北部地域を経由して京都市、大阪市と繋がる「京都府北部ルート」が、候補ルートのひとつとなっている。この北陸新幹線「京都府北部ルート」の実現は、将来、山陰新幹線等を北陸地域、京阪神地域に接続していく上で、最も効率的で、円滑、合理的なルートとなるものであり、総合的な国益確保に繋がるものである。

    山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議と北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会は、北陸新幹線「京都府北部ルート」の速やかな実現と、それにより促進される山陰新幹線等の早期実現と地域活性化に必要な在来線の充実について強く要請する。
    以上、決議する。

    平成28年6月7日

    山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議
    会長 鳥取市長 深澤 義彦

    北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会
    会長 舞鶴市長 多々見 良三

    ドクターTのひとりごと

    • 2016.06.05 Sunday
    • 10:50
    その35 「戦後復興のふるさと舞鶴」
    明治時代から軍港として発展してきた舞鶴は、第2次世界大戦後は、海外に取り残された日本人の帰国を受け入れる「引揚港」として、国内で唯一、引揚事業の最後まで13 年間に渡り、約66万人もの引揚者、特にシベリア抑留者を多く迎え入れた。引揚船が入港するたびに、当時の舞鶴市民は、戦後の物不足で自らの生活もままならない中、お茶やふかした芋などを振る舞った。引揚者は帰国後全国各地で戦後の復興に尽力され、今日の日本の繁栄の礎を築かれた。引揚者の新しい人生の第一歩が踏み出された舞鶴は、再出発の地であり、まさに「戦後復興のふるさと」といえる。戦後世代が人口の大半を占める中、薄れゆく引き揚げの史実と戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に語り継ぐことが、市民を挙げて引揚事業に携わってきた本市の責務であり、引き揚げやシベリア抑留に関する貴重な資料を「ユネスコ世界記憶遺産」に登録する取り組みを続けた結果、3年3ヶ月の努力が叶って、昨年10月10日に登録された。資料の多くは、「生きることへの希望の記録」である。極限ともいえる環境にあっても生きて帰国することを信じ、それを待つ家族も安否を気遣いつつ、再会の望みを持ち続けていた姿などが克明に刻まれている。家族愛の欠如や相手の痛みに対する想像力の不足が危惧される事件等が頻発している現代において、家族の絆や諦めない心、生きる力、明日があることの素晴らしさについて考える機会を我々に提供してくれる貴重な資料であり、国内外に広く発信したい。

    ドクターTのひとりごと

    • 2016.06.04 Saturday
    • 12:12
    その34 「京都府北部5市2町が連携した地方創生の取り組み」

    京都府北部地域は日本海と丹後・丹波の山々に囲まれた自然豊かな地域である。日本海から深く入り組んだ若狭湾は千年以上にわたり都が続いた京都市内から北に僅か100キロメートルの位置にあり、古くから海を介して大陸の進んだ技術文化が導入された共通の歴史的背景を有する。安土桃山時代には福知山には明智光秀が、舞鶴には細川幽斎が領主となり城下町文化が栄え、この史実に基づき京都府北部5市を含む10市2町でNHK 大河ドラマ誘致活動が積極的に行われている。また、昨年7月には北部地域が観光庁より「海の京都観光圏」に認定され、海フェスタ京都も5市2町が協力のもと盛大に開催された。このような連携ができるのは古くから当地域の人々は互いに交流しながら暮らしてきたからである。
     近年、当地域の全ての市町が人口減少時代に入り、若い世代が定着する活力ある地域づくりが求められている。そうした中、平成23年に京都舞鶴港が日本海拠点港に選定され、さらに、本年は高速道路ネットワークが完成し、北部地域が強固な連携が可能となり大きく飛躍する時代を迎えた。そこで、平成27年4月に「京都府北部地域連携都市圏形成推進」が宣言され、5市2町を人口30万人の一つの生活圏として、観光、教育、医療、経済などの多分野において、連携・協力することで、都会にはない豊かで文化的な生活環境を持った圏域とする方針に沿って、地方創生の取り組みが大きく動き出している。

    北陸新幹線京都府北部ルートの重要性

    • 2016.05.15 Sunday
    • 08:21
    京都府北部5市2町による北陸新幹線誘致につきましては、平成26年に5市2町が共同開催しました「海フェスタ京都」を契機として、5市2町が協力・協働のもとで、地域の再生と創造に向けて様々な事業に取り組むことを誓った「共同宣言」や、その発展として、平成27年4月に、5市2町が連携して一つの都市圏の形成に向けて取り組むことを誓った「京都府北部地域連携都市圏形成推進宣言」に基づき行っているものであり、この取り組みを進めることで、5市2町の連携が強固となり、さらには日本海側のモデル地域として発展していくことを願うものであります。

    さて、北陸新幹線の敦賀以西ルートにつきましては、先般開催されました政府の与党検討委員会の「中間とりまとめ」が発表され、北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会が取り組んでおります「京都北部ルート」が、「小浜・京都ルート」、「米原ルート」と共に、国の調査対象ルートに選定されました。
    この結果につきましては、本同盟会が目指しておりました第一の目標であり、これまで関係者が取組んできました活動と、本同盟会をはじめとする地域の声が、政府関係者に届いた成果であると考えます。

    今後、国土交通省において、「京都府北部ルート」を含む調査対象3ルートについて、所要時分、路線延長、概算事業費、需要見込みなど、整備の判断に必要な調査を約半年間程度かけて実施され、北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会に対して報告を行うことが求められています。
    この調査においては、整備新幹線が公共事業方式で整備されていることに鑑み、「地域開発効果」「地域活性化への貢献」、「他の新幹線ネットワークとの接続による社会的・経済的意義」など、費用対効果の計算において定量的に計ること出来ない要素についても委員会に報告することが求められています。

    一部の地域やメディアで、新幹線ルート選定において、速達性と費用を重要視していますが、整備新幹線の目的は、「全国新幹線鉄道整備法」に謳われているとおり「新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もつて国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資すること」であり、公共事業である以上、単なる速達性(10分程度の差)や、建設費の大小だけを議論するのではなく、将来の日本のあるべき姿を念頭に置き、日本海側国土軸を形成して、日本海側と太平洋側の都市がしっかりと連携できるルートにすることが重要であり、そのことが、将来の日本の国益に繋がるものであります。

    皆様も御承知のとおり、我々の住む京都府北部地域は、陸・海・空自衛隊基地や米軍通信所が集積する「国防の拠点」であり、第八管区海上保安本部、海上保安学校のある「海の安全の拠点」であります。そして、隣接する福井県嶺南地域を含め、火力発電所、原子力発電所が集積する「関西経済圏のエネルギー拠点」であり、「災害に強い京都舞鶴港を有し、南海トラフ地震におけるリダンダンシー機能」も備えるなど、この地域は費用対効果の計算において定量的に算定することのできない役割と機能を持つ日本海側の重要地域であり、北陸新幹線のルートにすべきであると考えます。

    また、この地域は、観光庁が認定する「海の京都広域観光圏」であり、2014年度の観光客は約900万人で、日本海側の北陸新幹線沿線地域の中で最大の観光圏であります。また、福井県嶺南地域から京都府北部地域の日本海側は若狭湾として、千年以上続いた「京の都」に近く、古来より一体的に発展し、歴史・文化に多くの共通点があります。この福井県嶺南地域と京都府北部地域は、国土交通大臣から認定を受けた広域観光周遊ルート形成計画である「美の伝説」に選定されており、一体的な広域観光の拠点として更なる発展をしていくためには、京都府北部地域と福井県嶺南地域を分断することなく、小浜から京都府北部地域を経由する「京都府北部ルート」が必要であります。

    また、この地域の2014年度の製造品出荷額は約6400億円で、日本海側の北陸新幹線沿線地域の中で富山市に次ぐ豊富な産業基盤を有しておりますが、さらなる企業進出を促進し、この地域の地方創生を推進していくためには、移住・定住促進、雇用人材確保が必要であり、そのためにも新幹線が必要不可欠であります。

    さらには、「中間とりまとめ」の注記に、北陸新幹線が日本海側と太平洋側を連絡する重要路線であることも考慮し、将来的なものを含めて他の日本海側の幹線鉄道網との関係についても配慮されるべきと記載されている通り、北陸新幹線のルートは、日本全体の発展を見据え、将来の山陰新幹線の整備によるしっかりとした日本海側国土軸の形成を視野に入れることが重要であり、その場合の北陸新幹線のルートとして「京都府北部ルートが」最も優位であると考えます。

    北陸新幹線敦賀以西ルートは、国の調査実施後、早ければ年内に決定されると聞いております。北陸新幹線京都府北部ルート誘致促進同盟会では、地域における誘致に向けた機運を高めるとともに、費用対効果の計算において定量的には算定できないこの地域の重要性と、将来の山陰新幹線の整備を見据えた北陸新幹線「京都府北部ルート」の優位性などについて、山陰地域の自治体とも連携を図りながら、早期に、また戦略的・効果的にPRしてまいりたいと考えております。